職人現場日記 2010.02.05
お客様と縁を切らないために「縁切り」をするってどういうこと? (塗り替え)
スレート瓦(メーカーによってコロニアル、またはカラーベスト)の塗替えの場合、あることをしないと「雨漏り」する危険性があります。
「お母さん。たっぷりと厚めに屋根を塗っておいたからね!」・・・「あら、そうなの嬉しい。ありがとう、職人さん♪」
なんて言って喜んでいる場合ではありません。スレート瓦の重ね部分のすき間も、たっぷりと塗料で埋めつくされていたのです。
これでは今まであった通気性もなくなり、以前はそのすき間から排出されていた雨水が、出口を失いオーバーフローして「雨漏り」の原因になってしまうからです。
さらには屋根裏の野地板を傷めて、最悪の場合、屋根を葺き替えしなければならないことになってしまう可能性もあるからです。
そんなことになったら、せっかくのお客様との良いご縁も切れてしまいます。
そうならないためにも専門店の職人が行うあることとは?
それが「縁切り」なんです。実はお客様との縁を切らないために「縁切り」をするのです。
ここで言う「縁切り」とは、瓦の重ね部分に溜まった塗料に切り込みを入れて、雨水の排出口を作る作業のことで、文字通り、瓦と瓦との「縁を切る」という意味なんです。
これをやらなければ、屋根の塗替えをしたことで雨もりがするようになったなんてことも・・。
最近では、縁切りをさらに確実にした「タスペーサー」という部材が出ていますので、縁切りが当たり前になればいいですね。
現代社会は人間関係が気薄になってきています。そんな時代だからこそ、私たち地元の職人は、人と人との結びつき、ご縁を大事にした仕事をしていきたいと思っています
日本建築塗装職人の会